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2011年12月9日金曜日

Androidで「ものづくり」 第3回


昨日、奈良県工業技術センターで行われた
Androidで「ものづくり」  ~ものづくりシステムへのAndroid導入法~
の第3回、つまり最終回が終了しました。

1,2回がAndroidの組込ボードへのポーティングとNDKによるドライバレベルの実装、
という観点からのテーマでOESFのテキストに従って行われたのに対して
最終回である今回は、ふつ~にAndroidアプリを開発して、WifiのUDPダイアグラムで
自走模型をうごかしてみる、という内容。
つまり7月29日に行われた、奈良高専主催のアンドロイドワークショップの焼き直し
版でした。
ワークショップのときは午前の2時間、ということで時間切れ続出だったのと
自分自身にもアンドロイドの経験値がほとんどなかったので、こういう小難しいものなのか~
という印象しかなかったんですが、さすがに3ヶ月も経過するとその間の経験値上昇分で
いろいろ見えてくるモノがありました。

ダメだしする気は毛頭無いけど、ちょっとサンプルがお粗末だったかなぁ、というのが
正直なところ。3~4ヶ月あったにも関わらず、ほとんどコーディングが見直されておらず
個人的な印象では
「こりゃダメじゃん」(あくまで個人的印象ですよ)
なところが盛りだくさん。

まず、基本的なところで、フォームにボタン貼り付けてそれぞれの
コードを記述する、という部分。
いろんな本をよんだり、話をしていて一般的なのは
1.onCreateのなかで
    button.setOnClickListener(
          new View.OnClickListener(){
                 public void onClick( View v ){
                      ......
                 }
          }
     }
    みたいに記述する。

2.アクティビティの先頭で、implements View.OnClickListener を記述して
    onCreate内部で、
           Button.setOnClickListener(this);
    を実装した上で
    public void onClick( View v) {
         if ( v.getId() == R.id.Button1 ){
              .....
         }
    }
    を記述する。

3.XMLの<Button >のなかに、android:onClickで関数名を記述して
    アクティビティのコード内に直接関数記述する方法

の3種にほぼ集約されるとおもいます。
おそらく、これ以外の方法を公然となさっているパターンは少ないんじゃないかと。


で、今回の会ではこのいずれでもない状態で進んでしまいます(汗)
どうするかというと

メインのアクティビティのonCreateで
   Button.setOnClickListener( new XButtonListener() );
と記述した上で、当然、newしたリスナの実体がないので、
  Create class
して、実体を別クラスに生成するという荒技をつかいます。
初期のうちはこれでもちゃんと動作しますし、ソースが分割されていく、
というのを是とすれば、別に問題なくうごきます。

ただ、このあと別の画面へのインテントやWiport模型への各種コマンド発行ボタン
を実装したときに徐々に破綻していきます。
別の画面で設定変更を行って、メインのイベントに内蔵された機構にアクセスする
ときにクラスが分かれており、その都度生成を繰り返すため、
すべてのソースに同じ記述を繰り返すほか、本来必要でないfinal 宣言までつけないと
ダメとか、もうハチャメチャ。

すべては、必要のない記述と新規クラス生成をおこなったことを追認しようとして
穴埋めした結果におもえてしまう。

うごけばいいや、的な発想で教えられてもこまるんだよなぁ。
ことに、高専の先生であることが最大にイタイ。

まあ、コードの設計によって、最終コードの品質がここまでかわるんだ!ってのが
実感できたのは収穫だったけど。


このあたりのことも含めて反省会なんかでコードレビューも含めて座談会なんかが
開かれたらおもしろいなぁ。


総括としては
1.前2回のポーティング作業で、NDKで開発するのは問題ないとしても
    デバッグ等が結構面倒で、必要最小限にとどめるべきじゃないか?というのが
    得られた感触。
    NDKつかえば、たしかに高速化やLinuxの技術がつかえるなどのメリットもあるかも
    しれないけど、新たなバグの入り込む余地が爆発的にふえるにも関わらず、
    十分なデバッグ手法があるようにも思えないのが、最大の理由。
    つまり、どうしてもNDKをつかわないとダメか、という判断の上で決断すべきとおもう。
    機種(CPU)依存という新たな足かせも発生するというデメリットもおおきくなり
    アンドロイドという汎用OSをつかうメリットを失わせる危険もある

2.SDKによるアプリ開発のほうは、できるだけ標準的な手法に基づくほうが望ましい。
    特殊なやり方を推し進めようとすると、破綻する可能性が高い!