某研究会でおこなっているZigBeeのボード設計周りも大詰めなので
懸案だった接続テストと能力測定を行いました。
場所は京都五条七本松のASTEM(京都高度技術研究所)です。
省エネ動作そのものは特に問題となるほどおおきくないので
DigiのXBeeとXBeeProでZigBeeモードのコーディネータデバイスとルータデバイス
としてテストを行いました。
製品性能の取得を目的としていないので、実運用に近いテストという観点から
コーディネータからコマンド送信し、ルータデバイスからトークバックが得られるかどうかと
その遅延性がどの程度か、を確認していくという簡易な方法をとりました。
屋内試験では事務所内でいろいろやってたんですが、同一フロアなら
XBee/XBeeProとも、特に問題にならないほどの安定性が得られました。
そういうもんなんですかね。
XBeeとXBeeProでは利用できる出力がかなりちがうので、どうようの運転が
できたのはここまでで、XBeeは階がかわるととたんに通信が滞るようになります。
このレベルになると、電源ONからの再接続ができなくなるので、
最初のコーディネータとの通信はかなりの電波強度がないとうまくいかない
雰囲気でした。
XBeeProだと階が変わってもそこそこ通信が成り立つようで、9F事務所から
階段をつかってどこまで通信できるかをテストしました。
防火扉の向こうで徐々に降りていくと6FはOKでしたが5Fだと環境に微妙に依存
することがわかり、このあたりが限界点のようです。
電源のON・OFFによる再接続試験でも6FではOKですが、5Fだとダメ。
ということはPro版をつかっておけば、通常想定される多くの環境では
メッシュネットなどの複雑な通信なくコーディネータtoエンドデバイスという
通信でカバーできるということなのでしょう。
ここまでが観測距離だということがわかったので、こんどはルータ機能の確認も
やってみることに。
いままで通信していたデバイス1を1Fまで下げ、6Fの踊り場にルータを挿入しました。
案の定、何事もなかったようにつながります。なるほどね。
せっかく接続出来る限界をみつけられたので、気になる電源断からの復帰実験も。
結果からいえば、特に問題なく、再接続できました。電源の復帰順も関係なくデバイス1
からコーディネータへの再接続が行われます。
ここが一番不安だったので、ちょっとほっとしました。
ただ、電源断後復帰時に2.4GHz帯のチャンネル変更がかかったときにも同様に
ちゃんと復帰できるのかは未だに不安がのこるところですが、こればっかりは確認の
しようもないので、仕方ないですよね。
こんどは地下室と地下駐車場へ。
地下室内も金属パーティションが入っているにもかかわらず、
とくに問題なく接続できてしまいます。
地下室からコンクリート越しに駐車場にでてみるとやはりダメ。
つまりコンクリートは貫通できないと、まぁ当たり前の結論に。
ただ、各部屋の金属ドアをすこしあけてやると、状況は一変。
部屋から表に電波をだせさえすれば、コンクリートの特性で反射によって普通に
通信できてしまいます。
ここはちょっとオドロキでした。
最後に屋外の直線見通しでどの程度の実力があるのかを検証。
ASTEMからすぐ横の七本松通にでて、エンドデバイスをうごかしていきます。
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縮尺単位が見やすいので
マップファンWebを
切り出して
つかっています。 |
Aの場所にコーディネータをおいて、
いままでと同じ要領でコマンドのトークバックを
確認していきます。
B位置くらいまでは普通に通信できますが
ここを超えると怪しくなり、信号を渡るために影に隠れると
通信エラーとなります。
信号を渡りきり、再び直線上にもどるとDの位置では
通信できるようになります。
このことから直線だと300mくらいが限界なのかもしれません。
まぁ、見通し直線といっても街路樹や電柱、看板など
障害となるモノはたくさんあるので、
実用距離は200mくらいとおもっていいのでしょう。
これでも十分です。
あとはルータを挿入するとどんどん伸ばせるので
ここらあたりからはZigBeeの独壇場となるのでしょうね。